2022年度「世界一を目指す研究開発助成事業」に田中さんの研究が採択

The Grants-in-Aid for World-Class Technological Research and Development”.

Our research project (5th grade, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Ami Tanaka) has been selected as a research and development project aiming to be the best in the world in 2022 of the Tochigi Prefectural Industrial Promotion Center.

Ami Tanaka (Faculty of Pharmacy, 5th grade) ・ "Development of a tissue contact optical sensor system that enables gene expression analysis under continuous light and dark cycle"


「世界一を目指す研究開発助成事業」に田中さんの研究が採択されました。


メラノプシン細胞が体内時計中枢SCNへ外界明暗情報を伝える機構とは全く違う経路システムでSCNを外界明暗サイクルに同調させ、このシステムを利用することで光が存在する明暗サイクル条件において、長期間自由に動いているマウスの各組織の遺伝子発現をリアルタイムに定量解析できることを発見しました。


田中杏実 (薬学部・5年生)・「明暗条件下での遺伝子発現解析を可能にする組織密着型センサーシステムの開発」

  地球上の生物は昼と夜の明暗サイクルに体のリズムを同調させることを一生、毎日つづける。外界の明暗情報は網膜の細胞から脳内視床下部の体内時計中枢・視交叉上核(SCN)へ伝達されることで体のリズムが外界環境に適応する。網膜からSCNへの伝達物質は、劉・柴田らによってグルタメートであることが明らかにされ、網膜の細胞は青色の光(ブルーライト:480nm)の受容細胞であるメラノプシン細胞であることが複数の研究室から報告され話題となった。しかしながら近年、メラノプシン細胞以外の網膜細胞が体内時計機構に影響をあたえるとの報告もあり、外界明暗環境に体内時計が同調するのにメラノプシン細胞の活性化は絶対条件ではない。

  我々はメラノプシン細胞以外のシステムでSCNが外界明暗情報を受け取り、ある特定の光が、生体リズムを強力に明暗サイクルに同調することを見出した。この光は非常に微弱な光量で生体リズムを明暗サイクルに同調できるため、この光を用いた明暗サイクル条件下では生体内の遺伝子発現計測に影響を与えることなく、遺伝子発現定量解析が可能である。

  今回我々は、SCNを24時間明暗サイクルに同調させた状態で、覚醒剤メタンフェタミンが、睡眠覚醒行動リズムを乗っ取り、28時間から48時間周期で動かす過程を、時計遺伝子発現をリアルタイムに計測することで可視化することに成功した。すなわち、体の中にSCNによって駆動される24時間周期で動いている部位とメタンフェタミンにより28時間から48時間周期で動いている組織が同一個体の中に存在する内的脱同調現象を人工的に作り出すことが可能となった。内的脱同調は生体リズムの乱れを誘発し、糖尿病、乳がん、前立腺がん、睡眠障害などのリズム性疾患の発症の危険因子として作用する。本研究では内的脱同調現象が形成される過程をリアルタイムに体の各組織で調べることを行い、生体リズムの乱れが誘発する糖尿病、乳がん、前立腺がん、睡眠障害などの疾患発症機構の解明への基盤となるデータを得ることを進めていく。

国際医療福祉大学大田原キャンパストピックス 
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ワクチン調整はまだまだ続く。。。大田原では蝉が鳴きはじめました。

Hamada Lab.

Why do we become more susceptible to disease and disability as we age? 体内時計研究  Department of Pharmaceutical Sciences International University of Health and Welfare (IUHW) Tochigi, 324-801, Japan