物理実習スタート 2021年6月

2年生の物理実習が先週から始まりました。2年生(約180人)を2つに分け1つの教室に約90人ほどの人数で行っています。内容的は以下のとおりです。

1. 抗酸化剤によるラジカル消去反応の反応速度 ラジカルの吸光度減少を経時的に計測して反応速度を積分プロット、グッゲンハイム・プロットから計算する。擬0次反応と1次反応を学ぶ

2. 金属錯体形成の形成比を吸光度から学ぶ

3. 分子の振動と赤外吸収の関係を調べ、分子構造の決定や分子種の同定への応用を学ぶ

双極子モーメント、振動数、赤外線の関係を学ぶ

4. 蛍光物質のスペクトルを計測し、蛍光の原理および発光の原理との違いを学ぶ。1年生の実習で行う沈殿滴定でもちいるフルオレセインの吸光度、蛍光スペクトル、励起スペクトルを計測。蛍光を計測するPMTの原理と蛍光をそこまで導く光ファイバーの原理を全反射と臨界角から学ぶ。計測にあたりレイリー散乱光、溶媒のラマン散乱光の影響を学ぶ

5. HPLC をもちいてステロイド骨格を持った構造式が非常ににている5種のステロイドホルモンを定性し、定量解析する。逆相、順相、ゲルろ過カラムの違いを学ぶ。カラムからの溶出時間の違いをステロイドホルモンの構造式から有機化学的に説明する。HPLCにインジェクションするまでのサンプル調製法について学ぶ。


実習とは別に6月、8月とオープンキャンパスがあり、6月は終わり、薬学内をツアーで説明しました(約200人ほどの来場)。本学に入学する学生の多くは高校で化学をメインに選択し、化学と物理を学んでいるひとが多いです。大学の実習では何をするのか物理系の実習で詳しくは説明しませんが簡単なものを上にアップしました。薬学部は1年から4年まで午後(基本は火曜日から木曜日)はさまざまな科目の実習になります。物理に関してだけでいうと基礎物理実習は1年後期、2年前期に行います。3,4年で物理薬剤、物理製剤学、臨床系の実習を経て5年生の薬局、病院実習に半年行き、外来患者さんの対応、処方箋にしたがった調剤、在宅訪問、学校薬剤師などを学んでいきます。物理実習では ガラス器具をメインに取り扱います(ガラス器具との比較としてピペットマンを使用します)。現在は高校でもピペットマンを使用しているところもありますが、溶液採取にあたり どのガラス器具が適しているのか ホールピペットなのかメスピペットなのかビュレットを用いるのか、駒込ピペットを使うときはどの時か、洗浄で目盛がついたものをブラシであらえるのか乾燥機にいれていいのか、どのものが乾燥機にいれてはダメなのか 超基本的なことを身につけます。はかりとった量を自分の目でしっかりと判断するくせをつけるためです。ピペットマンなど3年生のPCR等の生物実習で使用する時もやはり、最後は自分の目の感覚が重要になります。機械は時々壊れます。薬物を最後に調整する時は自分の感覚が最後のたよりになります。試薬調整のミス、機械のミスや故障に気づくことができるようになります。


Hamada Lab.

Why do we become more susceptible to disease and disability as we age? 体内時計研究  Department of Pharmaceutical Sciences International University of Health and Welfare (IUHW) Tochigi, 324-801, Japan