研究室 今年のしめくくり 12月26日2024年

 年をとり健康な人がなんで病気になるのか?病気になった後の研究は、とりかかりやすく数多くの研究がなされている。しかしその病気の進行機構が分かり、それを止める候補薬物が推定されたとしても病気を完治できるわけではない。人は年齢とともに体の機構が常に変化していき、年齢とともに様々な疾患が発症する。そのため年を取るに従い治療薬は、様々な病気のものを1度に服用する必要があり、その組み合わせを変えながら一生を過ごすことになる。そのため本研究室は時間と年齢で体が変化する機構を明らかにし病気を発症するマーカーを見出すことを目的としている。

今年も4年生の研究室配属が決まり卒研が始まりました。今年の4年生への研究紹介は以下のとおり。

「本研究室では生体リズムの研究を行っています。単に生体リズムを研究するのではなく、当研究室の強みである生体リズム解析を基盤として、さまざまな疾患発症機構を解明することを研究の軸としています。現在、糖尿病、覚醒剤の依存形成、生体リズムの乱れが誘発する乳がん、不妊症の未病段階の検出および疾患発症機構の研究を進めています。がんや糖尿病、高血圧、アルツハイマーなどの認知症、精神疾患、覚醒剤依存など多くの病気の発症機構は不明です。一般的に、薬は病気になってから服用します。薬の役割は、進行を止めることが主となり、根本治療は難しい。年齢を重ねると発症しやすい高血圧や糖尿病、認知症など発症に対しての薬物治療の多くは、薬の組み合わせを考慮しながら死ぬまで服用し続けなければならないという現状があります。当研究室では、病気が発生してからの治療や研究ではなく、なぜ病気が発症するのか、なぜ年齢依存的に病気が発症するのかに焦点を当て、病気発症前のいわゆる未病段階を検出することを目的としています。なんらかの発症前のマーカー物質を明らかにすべく、生体リズム解析を用いて研究しています」

Hamada Lab.

Why do we become more susceptible to disease and disability as we age? 体内時計研究  Department of Pharmaceutical Sciences International University of Health and Welfare (IUHW) Tochigi, 324-801, Japan